
今日は釜山博物館に行ってきました。
釜山は朝鮮戦争時代臨時首都になった場所で、歴史的に重要な都市らしく、歴史に触れられる場所がたくさんあります。
ここもそのうちの一つ。
平和公園も併設していて、のどかな場所です。

釜山は一時期、日本に占領されていた歴史もあるので、釜山のいろいろな博物館に行くと、日本統治時代の残酷な背景も見ることができます。
今回訪れたこの釜山博物館にも、日本の文献や残していった足跡がたくさん残っていました。
現地でこういったものを目にすると、日本人として申し訳なさのような少し複雑な気持ちと、同じものを見ている周りの韓国人がどんな気持ちで見ているのだろうかとどうしても気になってしまいます。

現在企画展として、日本統治からの解放、朝鮮独立の歴史を取り上げていたので、観覧の最後に見てきました。
本当の最後の最後に出てきたのが安重根の書でした。
そこでは、多くの韓国人が足を止めていました。
「これはどういこと?」
私の目の前で安重根の書を見上げていた韓国人の少女が一緒に来ていた母親に聞いていました。
「安重根が日本の悪い人を殺したのよ」
その母親は、少女にそう答えていました。
それを聞いた私は、一瞬息が止まりました。
目の前の書の周りでは、プロジェクションマッピングで安重根が伊藤博文を射殺するアニメーションが流れていました。
韓国に来て初めて、韓国語ができなければよかったと感じた瞬間でした。
その母親が、日本に本当に憎しみを持っているのかはわかりませんが、やはり今でも釜山では日本が統治していた記憶が忘れられないのだなと感じました。

まだ韓国は、独立を果たしてから約80年しか経っていません。
ただこの80年間で、どんな理由であれ日本を好きになってくれる韓国人が増え、反対に韓国を好きになる日本人がたくさんいるのは、本当に素敵な関係だなと思います。
その素敵な関係を保つためにも、日本人として行ってよかった場所でした。
釜山の古き良き文化を、傷ついて立ち上がった過去を知れた一日でした。

世界中がそんな素敵な関係で溢れますように。